間接照明とは、ダウンライトやシーリングライトのように直接的に部屋を照らすのではなく、壁や天井に灯りを当てて、反射した灯りで空間を照らす照明です。
この手法はインテリアデザインのアクセントとして非常に効果的ですが、一方で使い方を間違えると「オシャレに感じられない」照明となってしまいます。そこで今回は、効果的に使える間接照明のテクニックを6つ紹介します。
間接照明のテクニック6選
間接照明は、灯りの反射によって空間を照らすテクニックですので、直接照らす灯りに比べて照度は低く(暗く)なります。そのため、照度が必要な場所では、間接照明以外のベースとなる照明を確保することが大事です。まずはベースの照明の照度を計算したうえで、以下のような間接照明のテクニックを使うようにしましょう。
コファー照明
コファー照明は、掘り上げられた「折り上げ天井」の内部に照明を取り付け、内側の壁や天井に光を反射させるテクニック。広い部屋に取り入れればゴージャスな雰囲気を出すことができます。
コーブ照明
光を「アーチ状に」反射させるテクニック。「コーブ」とは弓形状に折り上げられた天井のことを指しますが、「コーブ照明」は弓形の天井でなくても、照明の配置を工夫することで採用できます。部屋全体に落ち着いたムードを出せるという特徴があります。
コーニス照明
天井に光を当てるコーブ照明に対し、壁面に光を当てるのが「コーニス照明」。壁の上部に照明を設置し、下方を照らすことよって部屋全体の奥行き感をコントロールすることが可能で、部屋に広がりを持たせることができます。絵画やアクセントウォールなどと併用すれば、室内の印象を大きく変化させられます。
バランス照明
壁の上方に照明を設置し、下方を照らすコーニス照明に対し、中壁に照明を設置し、光を壁面の上方〜下方に当てるのが「バランス照明」です。上側に出た光は壁を、下側に出た光はカーテンを照らし、コーニス照明よりも天井の高さが広い部屋に適しています。
ルーバー照明
天井にルーバー(羽板を格子状に組み上げたもの)を設置し、その上に照明を配置して部屋全体に光を拡散させます。天井全体が光源に見えるような作りとしては、後述する「光天井照明」と同様ですが、ルーバー照明は室内にいる人から光源が見えにくく、落ち着き感を持たせることができます。
光天井照明
天井の内部に照明を入れ込んでしまうテクニックです。乳色ガラスやプラスチック、和紙などを利用して天井を覆い、その中に照明を設置します。これらの素材で光が拡散されることで、あたかも天井全体が光源となっているかのように見せることができます。部屋全体に均一に光を当てることができるので、美術館などで採用することがありますが、奥行きが感じられにくくなるので、住宅で使うには注意が必要です。
間接照明を考える上での注意点は?
「間接照明」といっても、天井を照らす方法、壁を照らす方法、天井全体を光源とする方法など、さまざまなテクニックがあるということを紹介しました。
これらの手法を住宅に取り入れる際に注意したいことは、家具や家電の存在です。というのも、設計時にあらかじめ家具・家電の配置を考えておかないと、たとえば空気清浄機やサーキュレーター、エアコンに照明が当たって、目立たせたくないものが目立ってしまうようなケースもあります。
また、基本的なことですが、あくまでも間接照明は光を反射させるテクニックですので、光を当てる壁や天井の色味が暗いと光を吸収しやすくなり、思ったような効果が得られないこともありますのでご注意ください。
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