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光学的な仕様の違いを比較vol.1、海外製テープライトVSプロテープライト

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光学的な仕様の違いを比較vol.1、海外製ledテープライトVSプロテープライト

前回のコラム「電気的な仕様の違いを比較、海外製ledテープライトVSプロテープライト」で、インターネット通販で手軽に購入できる海外製ledテープライトと当社プロテープライトの電気的な仕様の違いについて紹介しましたが、本コラムでは2つの光学特性「配光特性」「明るさ」の違いについて深堀りします。次回のコラムでは、3つの光学特性「照度」・「色温度」・「演色性」についてご紹介します。

光学特性はテープライトに限らず、照明器具を導入する時の最重要項目ですが、器具単位で多少なりとも明るさや色味が違っていたような経験はないでしょうか?もちろん工業製品ですので、製造ロットごとでバラツキが出てしまうのですが、今回はその度合いについて「カタログ値とどれくらいの誤差があるか」で評価しました。

また、以前に「海外製ledテープライトVSプロテープライト」のコラムで「 WEBでテープライトについて検索すると、"LEDチップのサイズが大きければ大きいほど明るい"という記事をよく見かける」と紹介しましたが、実際のところどうなのかについても確認しました。

今回評価した試料は以下の4種類です。
 ①「プロテープライト10」・・・当社品(日本製)
 ②「プロテープライト20」・・・当社品(日本製)
 ③「5050テープライト」・・・市販品(海外製)
 ④「2835テープライト」・・・市販品(海外製)

 各長さ300mm / 色温度:2700K(電球色)

※今回のサンプル数はそれぞれ1本で、製造ロットなどにより測定結果は変わりますので参考までにご覧ください。
>>結論を知りたい方はこちらをクリックください。


2-1.配光特性

分光配光測定システムを使って、各テープライトの配光特性や明るさを測定しました。高価な装置ですが、産業技術センターや工業試験場などにある設備を利用することで安価に測定できます。まずは、測定した配光特性について下図にまとめましたので見てみましょう。

配光曲線図(単位:cd/(1000lm)

図1.プロテープライト10
kougakudata_protapelight10-27k.jpg 

図2.プロテープライト20

kougakudata_protapelight20-27k.jpg

図3.5050テープライト
kougakudata_5050tapelight-2700K.jpg

図4.
2835テープライト
kougakudata_2835tapelight-2700K.jpg

「配光特性」に目立った差異はなし

上記に示す図1~図4の配光曲線を見ると、海外製ledテープライトも当社プロテープライトも配光方向にほとんど差異がありません。海外製ledテープライト2種はLEDチップのサイズがそれぞれ異なりますが、その違いも特に認められません。当社のプロテープライトを含め、一般的なLEDチップは指向角が120度のものがほとんどで、灯具の形状も似ているためにほとんど差異が生じないものと推定されます。

2-2.明るさ

「明るさの違いは顕著な差が出た」

次に明るさを表す指標の1つである「全光束値」について見てみましょう。「全光束値」とは、その照明器具から発生する光量の総和のことで、「Lm(ルーメン)」という単位で表されます。数値が大きいほど明るい照明器具ということになります。カタログ値と、配光測定システムで得られた測定値を下記表1にまとめました。

表1.明るさ(全光束値)の測定結果


表1より、当社プロテープライト10が1447 Lm/mと最も明るい結果となり、カタログ値よりも約6%高い結果となりました。

プロテープライト20については、カタログ値よりも低い数値が出ましたが、それでも約3%に収まっています。

いっぽうで、海外製の5050テープライトは948 Lm/mで、カタログ値(最低表記1200 Lm/m)よりも約20%低い結果となりました。カタログに記載されている明るさを大幅に下回る個体も存在するということでしょうか?2835テープライトはカタログに全光束値の記載がないので評価ができませんが、プロテープライト20よりも明るいようです。

サンプルを実際に測定することで、当社プロテープライトのほうが市販テープライトよりもカタログ値との乖離が小さいことがわかりました。当社プロテープライトに搭載しているLEDチップは、フィリップスルミレッズ社の国内正規流通品を採用しており、納入される明るさのランクを管理してありますので、製造ロットによる明るさのバラツキも小さく抑えてあり、カタログ値±10%程度に収まるように設計されております。よって、異なる製造ロットのテープライトを並べてもだいたい均一なあかりを放ちますので、大量に使用する場合や数カ月後にテープライトを追加で導入するようなことがあっても、見栄えよく仕上がります。

また、海外製の2835テープライトと5050テープライトそれぞれの明るさを比較すると、5050テープライトは「948Lm/m」、2835テープライトは「975Lm/m」であり、2835テープライトの方が明るいという結果となりました。当社プロテープライトに搭載しているLEDチップも2835サイズになりますので、WEB上で見かける「LEDチップのサイズが大きければ大きいほど明るい!」という記事は必ずしもそうでないことがわかります。小さなチップでも高効率のLEDであれば大きなチップよりも明るくなりますし、テープライト自体の設計仕様次第な面もあります。

2-3.発光効率

次に発光効率について評価します。発光効率とは「電気エネルギーをどれくらい効率よく光に変換できるか」を表すもので、"Lm/W(ルーメン/ワット)"という単位を用います。数値が大きいほど効率のよい照明器具となります。
今回、分光配光測定システムで得られた全光束値(1m換算)と「電気的な仕様の違いを比較、海外製ledテープライトVSプロテープライト」のコラム作成時に測定した消費電力(実測値)を使って計算し、得られた発光効率を表2にまとめました。

表2.発光効率実測値


カタログ値を素直に信じると、「1メートルあたり14Wの消費電力で最大1320Lm出力できる海外製の5050テープライト」のほうが、「1メートルあたり17Wの消費電力で1370Lmしか出力できない当社プロテープライト10」よりも発光効率が高く省エネなはずなのですが、実測の結果、当社プロテープライト10のほうが海外製の5050テープライトよりも約25%発光効率がよいことがわかりました。製造ロットの個体差を考慮しても大きなアドバンテージとなります。

※「電気的な仕様の違いを比較」のコラムでも紹介していますが、当社プロテープライトのカタログ表示上の消費電力は電源装置の選定ミス防止を考慮し高めに表記してありますのでカタログ値よりも実測値のほうが低くなります。

総評


今回、分光配光測定システムにより市販テープライトと当社プロテープライトの「配光特性」や「明るさ」について検証しました。配光の違いはほとんどありませんが、通販サイトで手軽に購入できる海外製ledテープライトは、カタログ記載値どおりの明るさを得られない(大幅に乖離する)場合があることがわかりました。
明るさが求められるような使用用途において、市販の海外製ledテープライトを採用したい場合は、カタログ記載の全光値を鵜呑みにせず、明るさのバラつき度合いについてしっかりと確認することをお勧めします。これに加えて、前回のコラムにて紹介した「電圧降下」による明るさ低下の影響も考慮しなくてはなりません。

当社のプロテープライトはLEDチップ自体の明るさランクを管理しているのでカタログ記載値±10%以内の全光束を得ることができます。安定したあかるさを求める場合や、使用量が多い場合、時間差で追加施工するような場合では検討していただく価値があるのではないかと思います。

また、「LEDチップのサイズが大きい=明るい」とは必ずしも言えないことがわかりました。LEDチップの大きさではなく、性能やテープライトの設計仕様により明るさが決まることを覚えておきましょう。

次回のコラムでは「照度」・「色温度」・「演色性」での測定結果についてご紹介させていただきます。

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092-518-0981


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