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光学的な仕様の違いを比較vol.2、海外製ledテープライトVSプロテープライト

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光学的な仕様の違いを比較vol.2、海外製ledテープライトVSプロテープライト


照明器具導入を検討する上での最重要ポイントである光学特性」

前回のコラム「光学的な仕様の違いを比較vol.1~」では、
1mあたり3,000円前後で通信販売にて手軽に購入できる海外製ledテープライトと、
当社プロテープライトとの「配光特性」と「明るさ」の違いについて検証した結果をご紹介しました。

本コラムは、前回の続編として、3つの光学特性「照度」「色温度」「演色性」について検証した結果をご紹介します。



今回、光のクオリティが時間経過とともにどのように変化するのかを調べるために、加速試験を行いました!
雰囲気温度を70℃に固定した恒温槽にテープライトを入れて1ヶ月間、点灯し続けることで、
果たして光学性能「照度」「色温度」「演色性」はどのような変化を遂げるのでしょうか?

※何らかの規格に則った試験方法ではありませんので、参考程度にお考えください。

1週間ごとに恒温槽からテープライトを取り出し、色彩照度計を使って「照度」「色温度」「演色性」を測定しました。
黒塗りのボックスを製作し、繰り返しの測定でも計測結果が安定するように工夫しています。

当社プロテープライトについては、製造ロット毎のバラツキ具合も検証するため、
サンプル数を1本→3本に変更しました。

写真1.恒温槽


写真2.黒塗りボックス 左:測定イメージ/右:ボックス内部



では、検証結果についてご紹介していきます。


1.色彩照度計の測定結果について
 1-1.恒温槽投入前の測定結果を比較(2020/5/26)
 1-2.恒温槽投入1週間の測定結果を比較(2020/6/3)
 1-3.恒温槽投入2週間の測定結果を比較(2020/6/10)
 1-4.恒温槽投入3週間の測定結果を比較(2020/6/17)
 1-5.恒温槽投入4週間の測定結果を比較(2020/6/23)

2.照度について

3.色温度について

4.演色性について

5.総評

※結論のみを知りたい方は「項目5.総評」をクリックしてください。


1.測定結果について

恒温槽投入前~実験開始1ヶ月後までの、各週ごとに色彩照度計で測定した結果を項目「1-1」~「1-5」にまとめました。

1-1.恒温槽に入れる前の測定結果を比較(2020/5/26)

 製品名 照度(Ev) 色温度(Tcp) 演色性(Ra)
プロテープライト10-① 1582lx 2649K Ra84
プロテープライト10-② 1572lx 2638K Ra84
プロテープライト10-③ 1573lx 2649K Ra84
プロテープライト20-① 980.6lx 2644K Ra84
プロテープライト20-② 976.1lx 2653K Ra85
プロテープライト20-③ 978.6lx 2650K Ra85
海外製5050テープライト 1107lx 2576K Ra84
海外製2835テープライト 1133lx 2802K Ra89

※製品名をクリックすることで実際の計測結果を確認できます。


1-2.恒温槽に入れて1週間経過後の測定結果を比較(2020/6/3)

 製品名 照度(Ev) 色温度(Tcp) 演色性(Ra)
プロテープライト10-① 1565lx 2654K Ra84
プロテープライト10-② 1551lx 2648K Ra84
プロテープライト10-③ 1561lx 2654K Ra84
プロテープライト20-① 970.8lx 2672K Ra84
プロテープライト20-② 971.6lx 2672K Ra85
プロテープライト20-③ 965.3lx 2676K Ra85
海外製5050テープライト 1073lx 2594K Ra84
海外製2835テープライト 1134lx 2849K Ra89

※製品名をクリックすると実際の測定結果を確認できます。


1-3.恒温槽投入2週間経過後の測定結果を比較(2020/06/10)

 製品名 照度(Ev) 色温度(TCP) 演色性(Ra)
プロテープライト10-① 1574lx 2647K Ra84
プロテープライト10-② 1548lx 2641K Ra84
プロテープライト10-③ 1557lx 2649K Ra84
プロテープライト20-① 966.0lx 2662K Ra84
プロテープライト20-② 961.7lx 2670K Ra85
プロテープライト20-③ 957.3lx 2672K Ra85
海外製5050テープライト 1092lx 2587K Ra84
海外製2835テープライト 1100lx 2853K Ra89

※製品名をクリックすると実際の測定結果を確認できます


1-4.恒温槽投入3週間経過後の測定結果を比較(2020/06/17)

 製品名 照度(Ev) 色温度(Tcp) 演色性(Ra)
プロテープライト10-① 1559lx 2656K Ra84
プロテープライト10-② 1542lx 2645K Ra84
プロテープライト10-③ 1553lx 2651K Ra84
プロテープライト20-① 956.9lx 2667K Ra84
プロテープライト20-② 961.3lx 2669K Ra85
プロテープライト20-③ 960.3lx 2671K Ra85
海外製5050テープライト 1043lx 2583K Ra84
海外製2835テープライト 1028lx 2866K Ra89

※製品名をクリックすると実際の測定結果を確認できます。


1-5.恒温槽投入から1カ月経過後の測定結果を比較(2020/06/23)

 製品名 照度(Ev) 色温度(Tcp) 演色性(Ra)
プロテープライト10-① 1546lx 2651K Ra84
プロテープライト10-② 1536lx 2646K Ra84
プロテープライト10-③ 1550lx 2657K Ra84
プロテープライト20-① 952.5lx 2668K Ra84
プロテープライト20-② 956.7lx 2669K Ra85
プロテープライト20-③ 952.1lx 2671K Ra85
海外製5050テープライト 999.6lx 2587K Ra84
海外製2835テープライト 928.3lx 2862K Ra89

※製品名をクリックすると実際の測定結果を確認できます。

以上が、海外製ledテープライトと当社プロテープライトの「照度」「色温度」「演色性」について各週ごとに色彩照度計で計測した結果になります。

測定結果をもとに、3つの光学特性「照度」「色温度」「演色性」についてそれぞれ整理します。




2.照度について

まず、照度について測定結果を整理します。
前回の光学特性コラムでは、明るさの指標である「全光束」について紹介しましたが、今回は「照度」を指標とします。

照度とは、照明器具でモノを照らした時の、モノの表面の明るさのことを指します。

例えば、照明器具の真下にあるテーブルを照らし、テーブル表面の明るさを調べるときに照度で表します。

※詳しくは「照明環境向上のポイントは、照度!」のコラムをチェック!

下図は海外製ledテープライトと当社プロテープライトについて、時間経過ごとの照度の測定結果をグラフ化したものです。

図1.照度測定結果



実験開始直前(5/26)から1ヶ月経過後(6/23)までの間で、各テープライトの照度低下率は以下のようになりました。

プロテープライト10:約-2%
プロテープライト20:約-3%

海外製5050テープライト  :約-10%

海外製2835テープライト  :約-18%

海外製ledテープライトは当社プロテープライトに比べ、大きく照度が落ちる結果となりました。


今回、当社プロテープライトについては、製造ロットによるバラツキを検証するためサンプル数を3つに増やしましたが、
サンプル①~③とも照度差がほとんどない結果になりました。




3.色温度について


続いて、色温度について測定結果を整理します。
色温度とは、光の色を表すための尺度のことで「K:ケルビン」という単位で表されます。ケルビンの数値が低いほど温かみのある色味となり、高いほど涼し気のある色味になります。一般的に色温度は約2700K、3500K、4000K、5000K、6500Kと表記され、数値が上がるにつれて「電球色」「温白色」「白色」「昼白色」「昼光色」に分類されます。
※詳しくは当社コラム「色温度「K(ケルビン)」とはどのような単位なのか?」をチェック!

評価は、海外製ledテープライトと当社プロテプライトのカタログ値の色温度:2700Kのサンプルを使っています。
さて、測定結果はどのように変化したのでしょうか?

図2.色温度測定結果


図2より、当社プロテープライトは色温度:2650Kを前後し、5050テープライトは2570K前後となりました。
2835テープライトは実験前の測定結果よりも1ヶ月後の測定結果のほうが色温度が高くなりました。

カタログ値:2700Kと比較すると、当社プロテープライトはカタログ値よりも少し低い色温度ですが、JIS規格に規定されている範囲に収まっており、ほぼカタログ値に近い色温度になりました。
一方で海外製ledテープライトは、カタログ値との乖離が大きいように見受けられます。少なくとも今回評価した製品については、製造ロット毎によるバラツキには注意したいところです。


当社プロテープライトに搭載しているLEDはマクアダム3-STEPという色度ランクを絞ったLEDを採用していますので、製造ロット毎の色温度バラツキも少なくなるように考慮されています。
色温度のバラツキを抑えることにより、空間の見栄えが綺麗に仕上がります。
色温度のバラツキが大きいと、調光器で明るさを絞る時に色ムラが顕著に感じられたりしますので、上質な空間に仕上げたい場合は、光源の選定にもこだわりたいところです。



4.演色性について

次に演色性について測定結果を整理します。
演色性とは、照明のあかりを対象物に当てたとき、太陽光に当てたときの色の再現性を表した指数になります。
R1~R15の基準となる演色評価指数があり、それぞれの演色評価数を平均したものを演色性(Ra)で表されます。

図3.演色性測定結果


図3のとおり、いづれのテープライトにおいても、実験開始直前(5/26)から1ヶ月経過後(6/23)までの間で演色性に変化は見られませんでした。照度が低下しても演色性には影響がないようです。
海外製の2835テープライトは演色性:Ra89と高く、高演色なテープライトと言えます。
照射物の色味の再現性を高めたい場合は、2835テープライトのような高演色なものが適しています。

一般的に演色性がRa80以上あれば、間接照明としては十分な性能がありますので、照射物の色味再現性を重視しない利用用途でしたら海外製の5050テープライトや当社プロテープライトでも十分です。また、プロテープライトはR9(赤味)を補正してあるLED素子を採用しています。


5.総評


海外製ledテープライトと当社プロテープライトの、3つの光学特性「照度」「色温度」「演色性」について評価しました。
70℃一定の空間内に試料を並べて約1カ月間にわたり加速試験を行い、1週間ごとに色彩照度計で計測し、3つの光学特性がどのように変化するのかを検証しました。

「照度」については1カ月間で、
 ・海外製5050テープライト: 約-10%
 ・海外製2835テープライト: 約-18%
 ・プロテープライト10: 約-2%
 ・プロテープライト20: 約-3%
となり、海外製ledテープライトの方が照度の落ちるスピードが早いという結果になりました。


「色温度」については、当社プロテープライトはカタログ値からの乖離は小さく、加速試験後もほとんど変化がない結果となりました。一方で、海外製ledテープライトは2種ともに、試験前においてもカタログ値に対する色温度の乖離が大きく、加速試験後の変化量も当社プロテープライトに比べて少し大きくなりました。
他のライトとの組み合わせバランスや、空間の色温度に拘りたいときは、後者を選定する場合に注意が必要かもしれません。


「演色性」は加速試験を行っても海外製ledテープライトと当社プロテープライトともに変化はほとんどなく、海外製5050テープライトと当社プロテープライトはRa84前後、2835テープライトはRa89という結果でした。演色性については、両者とも間接照明で利用する分には十分な性能を有していると言えます。


以上のとおり、加速試験を行うことでクオリティの持続性についても同時に評価しました。結果として、プロテープライトは「照度・色温度・演色性」ともに変化量が小さく、長時間にわたり安定してパフォーマンスを発揮できることを確認しました。長期間安心してご使用になりたい場合は検討していただく価値があるのではないかと思います。

海外製ledテープライトは、プロテープライトと比較すると加速試験後の照度低下率が大きいことがわかりました。長期的な設置や、高温環境下での連続使用においては注意が必要な結果と言えます。色温度・演色性については、多少のバラつきはあるものの、間接照明用途には実用的な性能を有しているといえます。

※あくまで今回評価した海外製ledテープライトの特性ですので、すべての海外製ledテープライトがそのようになるとは限らない点、考慮いただき参考にしてください。


光学特性に関するコラムは以上となります。次回は機械的な性能の検証結果についてご紹介します。



>>プロテープライトの詳細はこちらから

今回測定したプロテープライトシリーズの他に、屋外にも施工できるLEDテープライトを一部取り扱っております。

テープライトのケース内まで防水加工を施したIP67相当の防水性がありますので屋外に施工しても簡単には壊れないテープライトになります。

ご興味のある方はこの機会にお問い合わせください。


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